山口市 生前整理 アドバイザー【デジタル終活 デジタル出版 デジタルシニア編集長】定年後の人生の物語を「最高のデジタル資産」に編集・昇華。 古いネガやVHSのデジタル化からプロの構成による自分史動画制作、終活事務までトータルサポート。 長年のキャリアを持つプロがあなたの想いの継承を全力で支援します。
午前10時のスーパーマーケット。カートを引く奥様の後ろを、所在なさげに歩く男性の姿があります。かつては組織を牽引し、分刻みのスケジュールで動いていたその背中に、今は「無聊(ぶりょう)」という言葉が張り付いているかのようです。世間ではこれを「濡れ落ち葉」などと揶揄することもありますが、果たして本当にそうでしょうか。
山口市で新聞記者や steno(速記)、学芸員として現場を歩き続けてきた私には、この光景が全く別のものに見えています。実は、スーパーマーケットの通路こそが、地域経済の「今」を映し出す最もエキサイティングな市場調査の最前線(フィールド)なのです。
「付き添い」を「フィールドワーク」へ再定義する
定年後、多くの男性が陥る「所在なさ」の本質は、休息が足りないことではなく、社会における「役割」の喪失にあります。しかし、長年培ってきたあなたの「ナレッジ」や「観察眼」は、退職金と共に消え去ったわけではありません。
奥様の後ろをただ漫然と歩く時間を、今日から「地域インサイト・オフィサー(情報官)」としてのフィールドワークに再定義してみませんか。
情報の本来価値を見抜く: 例えば、地場産の魚の入荷状況や、棚割りの微妙な変化。それは単なる商品の並び替えではなく、地域の生産者の苦境や、消費者の嗜好の変化を知らせる「サイン」です。
「記者の眼」を研ぎ澄ます: 元記者としての視点で見れば、1枚のポップの表現や、特定の調味料の品切れから、地域の食卓で何が起きているかの「仮説」が立ち上がります。
このように「無聊」な時間を「分析」の時間に変えるだけで、あなたの立ち振る舞いからは「付き添い感」が消え、プロフェッショナルなオーラが戻ってきます。
デジタルツールという「新しい武器」を携えて
とはいえ、店内でノートを広げたり、不自然に写真を撮りまくったりしては、周囲に不審がられ、奥様からも「鬱陶しい」と思われかねません。ここで活用すべきが、Google サイトや GAS(Google Apps Script)といった、現代のデジタル武器です。
ステルス型データ蓄積: LINEを打つフリをしながら、Google フォームでサッと「今日の気づき」を入力します。
見える化の魔法: 入力されたデータは GAS によってスプレッドシートに蓄積され、自動的に Google サイト上のグラフやレポートとして「見える化」されます。
私自身、MASA Planning Lab の代表として、こうしたローコードツールを活用した「地域 DX」を提唱しています。スーパーでの断片的な観察記録が、一週間後には「地域物価トレンド予測」という立派な知的資産に変わるのです。
自尊心を充足させる「三原則」への第一歩
なぜこれを行うのか。それは、単なる暇つぶしのためではありません。
組織に使われない: 時給パートの仕事ではなく、自立したプロとして動く。
特定の他者に認められる: あなたのサイトに蓄積された「地域インサイト」を、地元の商店主や生産者が「教えてほしい」と頼ってくる未来を作る。
手助けを依頼される: お願い営業ではなく、あなたのナレッジに価値を感じた相手から「相談」が舞い込む。
この「成り行き」こそが、定年後の自尊心を満たす最適解です。
スーパーの通路をウロウロしているあなたは、もう「濡れ落ち葉」ではありません。地域経済を裏から読み解き、次の一手を構想する「粋な知の情報官」です。
さあ、次回の買い物には、スマホの中に「インサイト・エンジン」を忍ばせて出かけましょう。あなたの情熱は、まだ、確かにそこに残っているはずです。
第1章:【気づき】スーパーの通路で「かつての自分」に出会う
第2章:【武器】Google サイトとGASを「現役時代の名刺」に代わる盾にする
第3章:【戦略】「お願い営業」を卒業し、「依頼される側」へ
第4章:【実践】地域インサイト・オフィサー(情報官)としての日常